「お母さんが昔着ていた着物を、今度のお出かけやお祝い事の席で着てみたい」
「タンスに眠っていた母の振袖や訪問着を譲り受けた」
というご相談をいただきました。
お母様の思い出が詰まった着物を身にまとうのは、とても素敵なことだと思います。
しかし、いざ着用の直前になって「サイズが合わない」「カビの臭いがする」「意外とシミがある」と慌ててしまうケースが少なくありません。
今回は、大正15年の創業から100年近く着物のお手入れ(悉皆)に携わってきた私たちが、
「母の着物を着る前に必ず確認すべき3つのセルフチェックリスト」をわかりやすく解説します。
着用予定日の「2~3ヶ月前」までに、ぜひタンスから出してチェックしてみてください。
チェック1:【臭い・カビ】ハンガーに干して状態を確認
タンスから出したばかりの着物は、特有の「樟脳(しょうのう)の臭い」や、保管環境による「カビ臭さ」が残っていることがあります。
セルフチェックの方法
着物を着物ハンガーにかけ、直射日光の当たらない風通しの良い部屋で陰干し(2〜3日)してください。
※ご提案
風を通しても取れない頑固な臭いや、生地の表面に白い粉のようなものがついている場合は「カビ」の可能性が高いです。カビのついた着物をそのまま着用すると、アレルギーの原因になったり、周囲にカビの胞子を振りまいてしまうため、「カビ取り」「丸洗い(ドライクリーニング)」が必要です。
チェック2:【シミ・黄ばみ】特に汚れやすい「3大ポイント」をチェック
一見きれいに見えても、20年〜30年と保管されている間に、当時の汗や皮脂汚れが「茶色いシミ(黄変・おうへん)」となって浮き出てくることがあります。
特に汚れが残りやすい、以下の3箇所を明るい光の下で確認してください。
衿(えり)まわり:ファンデーションや首筋の汗の跡がないか
袖口(そでくち):手の皮脂汚れや、擦れた跡がないか
胴裏(どううら・着物の裏地):白い絹が全体的に茶色く変色していないか
※ご提案
時間が経って茶色くなったシミは、ご自分では落とせません。
熟練のしみ抜き職人による作業が必要です。
チェック3:【サイズ】今のあなたにフィットするか?
お母様と身長が同じくらいだから大丈夫、と思っていても、現代人と昔の方では「体型(手の長さや体型の厚み)」が異なる場合があります。
最低限チェックしたい2つのサイズ
裄(ゆき):首の付け根から手首のくるぶしまでの長さ。短すぎると腕が見えすぎていて気になります。
身丈(みたけ):着物の全体の長さ。「自分の身長 = 身丈」が理想ですが、前後5cm程度であればおはしょりで調整可能です。
※ご提案
もしサイズが合わない場合も諦める必要はありません。
着物を一度解いて洗う「洗い張り(あらいはり)」を行い、ご自分のサイズに合わせてお仕立てをしたり、
裄直し、身丈直し、袖丈直しなど、寸法のお直しをしたい部分のみ仕立て直しをすることも可能です。
まとめ:お母様の着物を良い状態で着るためには、着用予定日の2~3ヶ月前には状態を確認することをおすすめします。
大正15年創業の弊社では、大切な思い出の着物を次の世代へと受け継ぐお手伝いをしています。
「カビかどうかわからない」「サイズが合うか見てほしい」といったお悩みなど、何でも構いません。
まずはタンスから出した着物のお写真を弊社公式LINEにお送りください。
職人の確かな目で、1枚1枚丁寧に診断させていただきます。
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